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第二種金融商品取引業の運営

第二種金融商品取引業は、かつては比較的低いハードルで登録できたため、現在も当時の安易な感覚で捉えている方もいらっしゃいます。しかしながら現在では、第二種金融商品取引業の業務を運営していくのは、金融商品取引業に関する専門的な知識が必要です。とりわけ、金融商品取引法などの法令面で十分な知識がないと、実務は盲点となる事項が多く、あっという間に違法状態になってしまいます。

ここでは、第二種金融商品取引業の登録が終わり、一般社団法人第二種金融商品取引業協会に加入した後に、ファンドを販売するにはどのようなステップが必要で、どのような手続きが生じるかを、事業型ファンドの私募の取扱を例にして簡単にご説明しましょう。

最初のファンドの販売の準備

ファンドの審査

第二種金融商品取引業を開始するに当たり必要な準備は多岐にわたりますが、はじめに必要なのは一般社団法人第二種金融商品取引業協会の規則である「事業型ファンドの私募の取扱い等に関する規則」又は「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」に則して、ファンドの発行者や事業内容を審査することです。

事業型ファンドの私募の取扱い等に関する規則は、平成30年1月1日より施行された、比較的新しい規則ですが、第二種金融商品取引業の運営の上では非常に重要な規則となりますので、把握しておく必要があります。

第二種金融商品取引業者は、仮に一般社団法人第二種金融商品取引業協会に加入をしていない場合でも、法令上、金融商品取引法第29条の4第1項第4号ニに規定されている協会の定款その他の規則に準ずる社内規則を整備する義務を負っています。

よって、協会非加入の業者であっても、協会の規則を遵守する必要があります。もっとも、実務上は現在の新規登録であれば、ほぼ例外なく一般社団法人第二種金融商品取引業協会に加入しているようです。

審査の内容は、事業の実在性、財務状況、事業計画の妥当性等多岐にわたって規則で定められています。第二種金融商品取引業者は、これに従いもれなく審査を実施して顧客開示をするとともに、証跡を保存する必要があります。

取扱契約の締結

販売の開始に先だって、ファンドの取扱(SPCスキーム等での代理販売)を行う場合には、予めファンドの発行者との間で、募集又は私募の取扱いに係る事務委託の契約も必要になります。取扱契約において規定しなければならない事項も、前述の「事業型ファンドの私募の取扱い等に関する規則」又は「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」に定められています。

分別管理口座の開設

金融商品取引業等に関する内閣府令第125条により、ファンドの口座は発行者の固有口座とは異なる別段名義口座であることが義務付けられています。そのため、ファンドの発行時すなわち払い込みを受ける前までに必ず分別管理口座を開設する必要があります。分別管理口座の詳細は、契約締結前交付書面の記載事項ですので、実務上、勧誘を開始するまでに、別段名義口座の開設を行うことになります。

また、特定有価証券等管理行為を行う際には、出資者からの出資金の払い込み先は取扱者の口座になりますが、電子申込型電子募集取扱業務の場合に関しては、その後払込金を一定期間内に信託保全する義務がありますので注意が必要になります。

顧客向け交付書面及び法定帳簿を整備

顧客向け交付書面では、契約締結前交付書面、締約締結時交付書面、取引残高報告書がなどがあり、法定帳簿として写しの保存も必要になります。また、その他の社内用の法定帳簿として、取引日記帳、募集若しくは売出し又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等に係る取引記録(自己募集)、募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱いに係る取引記録(取扱)、注文伝票、顧客勘定元帳などもあり、いずれも忘れずに作成する必要があります。ちなみにこれらの書類に関しては主要なものを例示で挙げただけですので、実際は必要な書類は他にもあります。

このように、最初の立ち上げだけでも規制は入り組んでおり、十分な知識がないと正確な準備をすることは非常に困難です。買収で第二種金融商品取引業者を買われた方や、自力で登録まではしたものの、その先で壁に当たっている方は、是非とも当事務所までお気軽にご相談いただければと思います。

とりわけ開業にあたっての事前審査で、当局に審査を受ける場合には、これらの法令上の規制を以下に把握して適切に事務処理をする態勢を構築することができるかどうかが、印象面でも非常に重要になってきます。

第二種金融商品取引業の日常の運営

第二種金融商品取引業において、ファンドを販売したらそれで終わりとはなりません。自社設立のファンドであればもちろん、他社の設立したファンドであっても、第二種金融商品取引業者が販売した以上、協会規則等に基づき、ファンド内容の監視・監督の義務を負っています。

実際、自社の販売したファンドが分別管理義務違反や流用、ずさんな資金運用等の問題を起こせば、販売した第二種金融商品取引業者が財務局から事実上の「結果責任」を問われる例が多数見受けられます。そのため、ファンド販売後は償還まで気を抜けません。

また、ファンドの財務内容や分別管理のモニタリング義務の他、第二種金融商品取引業者は各種の変更届出の義務を負っています。所在地や商号、役員、定款変更など、ありとあらゆる細かいことが届出事項と決まっており、これを怠ると罰則があります。そのため、何が届出事項で、何かをしたいときにはどのような手続きを踏むのか、あらかじめ全体像をよく理解しておかないと法令を遵守した運営は困難でしょう。

また、当然ながら新しいファンドを売りたい場合にも、業務方法書の変更という手続きを踏む必要があります。この手続き、本来は届出ですが、実際には事前の許可とでもいうべき制度運用がなされています。そのため、迅速な新ファンドの販売のためには、行政との折衝や資料作りなどを効率よく進める必要があります。

第二種金融商品取引業者がやってはいけないこと

第二種金融商品取引業者の義務は様々あり、義務の違反にはそれぞれの罰則があります。しかしながら、第二種金融商品取引業者として、どこまではミスで許されて(行政処分されず)、何が許されないのか(行政処分されるのか)という線引きは、金融商品取引業に長年携わってきた人間以外に感覚として理解することは難しいと思います。

これを第二種金融商品取引業者に関して言えば、詐欺性(資金消滅)、資金流用が伴う分別管理義務違反、無登録業者への名義貸し等は、非常に重い処分が科される傾向にあります。さらに、以前に他の業者で処分されたことや、以前の自社への検査で問題になったことを繰り返した場合も、通常よりも処分が重くなる傾向があるといえます。

第二種金融商品取引業者を運営するのであれば、本来他社が指摘された事項については、すべての事例を知識として知っているべきです。また、もしすでに貴社で問題が生じており、問題の解決策に関してお悩みであれば、是非当事務所にご相談ください。

基本的には、自社で発見し、自社で改善に着手した問題に関しては、金融庁・財務局は寛大です。もし貴社に問題があるのであれば、一刻も早く、後にしこりを残さない解決をする必要があります。秘密厳守でお手伝いします。


  



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